Bio-interface

神経班

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生体内の神経回路の構造と機能を模倣した簡単な生体内モデルである人工神経回路を作製することで、脳内の神経細胞のネットワーク特性とその情報処理機序の理解が目指されている。ポリペプチド、タンパク質、自己組織化単分子膜などを用いて、細胞をパターニングする試みは、これまでにもさまざまに行われてきた。しかし、軸索と樹状突起という2種類の突起を持つ神経細胞は複雑であるため、従来のアプローチでは、神経回路の接続を自在に作製することはできなかった。さらに、興奮性あるいは抑制性のニューロンを回路内に適切に配置する必要がある。神経細胞間の接続を制御するには、単一細胞レベルでのパターニングと突起の適切な誘導が必要である。

任意に神経細胞ネットワークを構築するためには、神経細胞を好みの部位に配置し、その後、神経突起を個別に他の細胞に接続する必要がある。このアプローチは、ブレッドボード上に電子回路を構築するようなものであり、任意の神経突起を任意の経路で標的細胞に誘導することで、生きた神経回路を設計することができる。これを実現するために、我々はガラス基板上に堆積させた自己組織化単分子膜上にフォトリソグラフィを用いて、細胞接着領域を制御する。この技術を用いて、チップ上に局所的な神経回路を再構築し、関連する数理モデルと比較することにより、その機能を理解することを目指している。